添削事例

時代の先取り3 旧態依然とした業界

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以前ご紹介した、受講生さんからの新しいメッセージが届きました!
 
 私は、東京で予備校の講師を勤めている。現代国語と小論文を担当している。昨年秋から、成川豊彦先生の「文術検」を受講している。講義で学んだことを仕事で生かしたところ、合格率が大幅に上がったことを前回伝えた。文書を書くということを通して、生徒たちが考えることの大切さ、面白さを習得し、成績が飛躍したからだ。
 今回は、その裏話である。
 記述問題を解くには、単なるテクニックを伝えるだけでは力がつかない。結局、文章を書くということを通して、生徒の論理的な思考力を高めことが大事であることを、私自身学んだ。考える力がつくことは、問題に対する積極性を促し、学力を大きく伸ばすということが分かった。
 では、私の勤める予備校の他の講師たちはどうしているのか。依然として、今まで通りである。「こんな時には、こう答えろ、論証は丸覚えしろ」と、まるで司法試験における「論証ブロック」のような指導をする講師もいる。
 彼ら、彼女ら自身、各自これまでの指導に、限界は感じている。2020年の大学入試改革に向けて、近年は記述問題重視が国語だけでなく、各教科で叫ばれているからだ。しかし、いざとなると途端に、旧態依然、今までと変わらない行動を取るだけである。
 例えば、会議があると、出る発言は、次のようなものである。
 「考える、生徒の思考力を育てる、それに伴い表現力を上げることは、いいことだと思う。だが、なにしろ時間がかかる」
「教える自分たち自身が、絶えず鍛錬を重ねなければならない。負担が大きい」
「今までやったことがない。添削は、長時間にわたり拘束される。添削者がミスしたら、たちまちクレームが来るだろう。それは、避けたい」
など、である。
 その結果、どんなに議論しても、結局、変わらない。情けない話だが、これが予備校業界•塾業界の実情である。
 しかし、ネット社会が到来し、情報の整理、分析こそが重要となっている今日において、記憶一辺倒の日本の教育では、時代の変化に太刀打ちできない。ディベートなどでの表現力、論理的思考力の優れる海外の教育に、このままでは大きく遅れを取ることになる。日本の国力低下、国際競争力低下にもなりかねない。
 今や、教育をどうするかは、将来のこの国にとって、緊急の課題といってよい。
 成川先生は、以前、受験において、大事なことは、「出題者の意図に答えることである。そのためには普段の勉強において、出題する相手の狙いを見抜けることが出来るような論理力を身につけることが大事だ。記憶することは最小限でよい」、とおっしゃっていた。ところが、司法試験受験界ばかりでなく、大学受験界も、多くの指導は表面的なテクニックだけというのが現状である。圧倒的に多数の講師がパターンを記憶させるだけの指導に終始している。
 正論を述べる成川先生は、あたかも正義を唱え大きな敵と戦おうとして、孤軍奮闘したドン•キホーテのようである。「私は現代の『ドン•キホーテ』かもしれん」とおっしゃていたが、あながち外れていないかもしれない。業界はおしなべて保守的である。正論を言う者は、少ない。受験生に目を向けていないからだ。 
 だが、現状は悲観的な状況ばかりではない。旧態依然の一方で、今、スクール東京には、武藤先生、スク東先生など優秀な若手の合格者や人材が集まりつつあるからだ。受験生に目を向け、本物を目指す動きも出てきている。
 私は、本物を目指したい。
 孔子は、かつて「徳、弧ならず。必ず、隣有り」と、言った。
通りがあるなら、結局は、周りが分かってくれるということだ。
 私は、人を教え、育てることを通して、社会貢献したい。そして、その結果として、小リッチにもなりたいと考える。

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