【週1特別連載】成川豊彦えらやっちゃ人生

成川豊彦えらやっちゃ人生 18.新聞記者時代─人生の分かれ道

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早稲田経営学院・“Wセミナー”の総帥として34年もの間君臨し、年商120億までにした男は、徳島のデケンボ(勉強ができない子ども)だった。人生の道を切り開くことができたのは、思わず笑ってしまうほどの、えげつない「プラス思考」と「行動力」によるものである。

18.新聞記者時代─人生の分かれ道
日本が「高度経済成長」の国へと突入する中、豊彦も、山口支局から神戸支局へ転任する。思えば、東京本社入社から、大阪、山口、神戸と、西へ西へと異動を命じられたものである。新たな地では、業界で知らない人がいないというほど有名だった産経新聞社の事件記者、秦さんと出会うことになる。次々とスクープをものにしていた人で、激しい情熱と行動力の持ち主だった。外見は、大川橋蔵のような、今で言えばイケメンで物腰は、いつも穏やかな人であった。若い頃から、現場重視の叩き上げの典型である彼は、刑事の夜勤に付き合い、いつも、いつも、寝起きを一緒にしながら、一人前の事件記者になったそうだ。豊彦が、神戸支局へ着任したその日、その秦さんが、他社に先駆けて、特ダネを入手したところだった。

当時、数年にわたって、世間を騒がせていた、着物姿の女性ばかりを狙う「晴着魔事件」があった。この事件は、お盆・正月・成人式などに振袖を着た、若い女性の着物の袖にタバコの火を投げ入れるという、悪質なものであった。夕刊トップで、「犯人を本日中に逮捕」と掲載することになったのだ。しかし、どうしても犯人の顔写真が手に入らない。着任したばかりの若い後輩記者は、その話を聞き、すぐさま支局を飛び出した。直球勝負で犯人の家族のもとへ押しかけたのだ。身内から犯罪者を出して肩身の狭い思いをし、傷ついている家族を追い詰めるような真似はしたくない。しかし、新聞記者としてだれかがやらなければならない。そこで、「おれがやってやろう」と自分に言い聞かせた。家族に、「今、当局に行かれているのですね。どのような方なのか、一般の関係者の方が、お顔を見たいと言っておられます。写真をお借りできないでしょうか」と思いを込めて話した。その思いが伝わり、一枚の写真を借りることができた。これで、ぎりぎりセーフ、夕刊に間に合わせることができた。この一件があって以来、豊彦は、稀代の事件記者から、ちょくちょく声をかけてもらえるようになった。先輩記者からは、「業界の人間だけでなく、会う人全部からいろんなことを学ぶこと。物事は、自分で責任を持って調べ、自分の頭で考える姿勢を貫けば、その5倍、10倍のことを周囲から教えてもられる」と教えていただいた。取材、取材と飛び回る毎日。1、2年経って、今度は姫路支局へ配属となった。また、西へ、西へ、流される。東京から、ますます遠ざかる。記者という仕事は、腰を落ちつけることがない。「一生働く」覚悟はあり、消耗品のような記者生活も嫌いではなかった。しかし、姫路で6ヶ月、過ごしている間に、「辞令がある度に、異動しなければならない仕事に、何か満たされないものを感じ始めた。その気持ちは、日に日に強く意識されるようになってきた。休みのときに原チャリを飛ばして、赤穂浪士で有名な赤穂の海岸沿いに向い、瀬戸内の美しい無人の入江でぼんやりと空と海を眺めた。そして、自らの行く末に思いを馳せていた。このまま、新聞記者として、生きて行くかどうかを考え始めた頃だ。まさしく、人生の分岐点であった。その頃、郷里・徳島から見合い話が舞い込んできた。相手は、県会議長の娘さんであった。選挙地盤も譲るから、養子になって、将来、中央政界に出ないかという話であった。しかし、その時には、結婚を決めた彼女がいた。妻である。あの時、もし、「政治」の世界へ身を転じていたら、今頃は、おもろい「国会議員」になっていただろう。人生とは、不思議なものである。

豊彦は、後年、予備試験・司法試験を中心とした法学系予備校で指導にあたることになる。このきっかけとなったのは、新聞記者時代、「一生、この仕事でいいのか」と考えたことから始まる。大学時代は、学生運動があり、「政治」への関心も強かった彼は、見合い話があったこともあり「政治家」になるか、後に残る仕事である「教育者」になるか二者択一をすることになった。

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